劣化しやすいヘッドライト
ヘッドライトの黄ばみやヒビの原因は、ヘッドライト表面の製造時に塗布した保護剤の劣化によるものです。
時間の経過とともに、紫外線や熱の影響で劣化して白く黄ばんいきます。
夜ヘッドライトの明かりが弱くて見ずらくなったり、ひどい場合は車検が通らなくなったりというリスクもあります。
そういう時は、研磨することで透明感と明るさを取り戻すことができます。
ヘッドライトの劣化によって荒れてしまった表面を研磨し、新車時の透明感を取り戻します。
さらにその上に専用のガラスコーティング剤を塗布し、表面を保護します。再劣化を防ぎ、長期間ヘッドライトを守ります。
ヘッドライトの構造、素材について
ヘッドライトの素材はガラス製と樹脂性の2つがありますが、現在主流となっているのは樹脂性のポリカーボネートと呼ばれるものです。
様々なプラスチックの中でも強度や耐熱性に優れている素材ですが、弱点もあります。
ポリカーボネートの弱点
表面硬度の弱さ
一般的な自動車塗装の硬度が1H~2Hなのに対し、ポリカーボネートは1H〜HB程度と柔らかいためキズが付きやすく、白濁などが起こりやすくなります。
耐溶剤性
アルカリや有機溶剤に対して非常に弱く、溶解やクラックなどを起こします。
紫外線の影響
紫外線に非常に弱く、黄変やクラックなどを起こします。ポリカーボネート樹脂は紫外線の照射を受け続けると表面が化学変化を起こし、成分転位生成物に変化してしまいます。生成物は、黄色、または茶褐色の物質であり、出来上がった表面は紫外線の吸収を行う為、ある一定以上になると紫外線による変化は止まります。この透明度がなくなり黄色く変色した状態が「黄変」と呼ばれています。
熱による影響
ポリカーボネートは耐熱性の点でも他のプラスチック樹脂より優れていますが、ポリッシャーを用いてヘッドライトを研磨する際にはピンポイントで熱をかけ過ぎると限界を超えてクラックが発生する場合があるので注意が必要です。
このように、ポリカーボネート自体は表面硬度が柔らかいので非常にキズが付きやすく、耐溶剤性も脆弱であることがわかります。そこで次項ではこの弱点を補うために、ポリカーボネートを用いたヘッドライトがどのように作られ、どのような構造をしているのかについて説明します。